インターネット上の掲示板やSNSでは、誤った凍結防止策や危険な自己流テクニックが散見されます。現場の水道設備士が警鐘を鳴らす代表的な誤解を検証します。
誤解1:「蛇口から水を細く出しておけば水抜きは不要」という過信
「鉛筆の芯ほどの太さで水を流し続ける」という手法は、流水が凍りにくい性質を利用した応急処置としては一定の効果があります。しかし、外気温がマイナス5℃を下回る猛烈な寒波や強風時には、流れている水ごと排水口周りで凍りつき、排水管を塞いでシンクから水が溢れ出す大事故を引き起こす事例が後を絶ちません。長時間の外出や数日間の不在時には、チョロチョロ出しではなく水抜き栓による完全排水が唯一の安全策です。
誤解2:「節電のために水道凍結防止ヒーターの電源を切る」という致命的ミス
寒冷地の戸建てやアパートの給水管には、サーモスタット連動型の水道凍結防止ヒーターが巻き付けられています。電気代を節約しようとブレーカーや専用プラグを抜いてしまう利用者がいますが、これは極めて危険です。ヒーターが停止した配管は外気温に無防備に晒され、数時間で凍結・破裂に至ります。最新の凍結防止ヒーターは外気温感知センサーにより必要な電力しか消費しない設計になっているため、冬季間は常に通電状態を保つのが鉄則です。
誤解3:格闘技等の「水抜き減量」との混同と設備における減圧トラブル
検索エンジンのサジェスト等で「水抜き減量」というワードを見かけることがありますが、これは格闘技選手などが計量直前に体内の水分を極限まで排出する危険な体重調整手法を指す用語であり、水道設備の水抜きとは全く無関係です。ただし、給水配管において「水抜き減量」という言葉を誤って「水圧を弱めておくこと」と解釈し、水抜き栓を中途半端に絞る行為は、管内の負圧破壊や地中漏水を引き起こす重大な危険を伴います。配管の水抜きは「100%抜く」か「全開で通水する」かの二者択一であり、中途半端な減圧操作は絶対に避けてください。