日本国内における映画ファンの間では、タレントや俳優がアニメーションの吹き替えを務めることに対して厳しい視線が注がれる傾向があります。しかし、本作におけるジュディ役の上戸彩とニック役の森川智之のコンビネーションは、公開直後からSNSや映画レビューサイトで熱狂的な称賛を浴びました。
上戸彩は、夢を信じてがむしゃらに突き進むジュディの無垢なエネルギーを、過剰な誇張のない等身大の芝居で見事に表現しました。特に、自らの失言によってズートピアの平和を乱してしまい、心に深い傷を負って田舎へ帰郷するシーンでの沈痛なブレスやかすれた声のトーンは、観客の感情移入を強く誘いました。単に「元気なウサギ」を演じるのではなく、偏見の無意識な加害者になってしまった苦悩を生々しく描き出した点が高く評価されています。
一方、声優界屈指の美声と演技力を誇る森川智之が演じたニックは、「ディズニー史上最も色気のあるキャラクター」として爆発的なファンを獲得しました。過去のトラウマから心を閉ざし、シニカルな態度で世間を斜めに見ていたキツネが、ジュディの純粋さに触れて徐々に心を開いていくグラデーションを、絶妙な声の温度感で表現しています。終盤の緊迫した場面で放たれる「俺のこと好きなんだろ?」というウィスパーボイスは、多くの視聴者を虜にし、「ニック沼」という言葉を生み出すほどの社会現象となりました。