Mr. Capone-Eを語る上で長年議論の的となってきたのが、彼の民族的ルーツとアイデンティティです。一般的にチカーノラップはメキシコ系アメリカ人(チカーノ)によるカルチャーですが、Mr. Capone-Eの本名はFahd Azam(ファハド・アザム)であり、Mr. Capone-Eの国籍・出生地はパキスタンの大都市カラチであることが公表されています。
幼少期にアメリカ・カリフォルニア州へ移住した彼は、ロサンゼルス東部サンガブリエル・バレー地域のウェストコビーナ周辺で育ちました。ヒスパニックコミュニティに囲まれた環境下でストリートカルチャーや現地のローライダー文化を肌で吸収し、地域のスレニョス(Sureños)カルチャーと密接な関係を築きながら育ったというMr. Capone-Eの経歴を持ちます。
非メキシコ系でありながらチカーノのストリートネームやカルチャーを体現することに対しては、シーン内部から時にバッシングや懐疑的な視線が向けられたことも事実です。しかし、彼は徹底した現場主義とローカルなストリートでのプロップス、そして何よりもハイクオリティな楽曲を作り続けることで自らの存在をカルチャーの中に確立させました。