配給・制作の陣容にも、日本映画史に残る異例の事態が起きている。長年ライバル関係としてしのぎを削ってきた東宝と松竹が、互いの垣根を越えて強力な共同メガホンを取ったのだ。日本の二大邦画会社が手を組むという事実だけで、この企画がいかに特別であるかが窺える。
さらに劇中の重要局面では、日本の伝統芸能の象徴である歌舞伎座でのロケーション撮影が実現。歌舞伎座特有の圧倒的なスケール感と重厚な空気、そして長年積み重ねられた舞台の熱気が、銀幕の隅々にまで緻密に刻み込まれた。歴史ある空間と映画の映像美が交錯するシーンは、観客を江戸の熱気の中へと引きずり込むはずだ。