プロオーケストラ奏者の年間収入は、単一の基本給だけで語ることはできない。東京交響楽団における楽団員の年収は、役職やキャリア、さらにはステージ出演回数に応じた手当の積み上げによって大きく変動する。
コンサートマスター(コンマス)や各パートの首席奏者クラスとなると、推定年収は800万円から1,000万円を超えるケースも存在する。一方で、副首席や一般団員(トゥッティ奏者)の年収水準は、400万円台半ばから600万円前後がメイン層だ。新卒レベルの若手団員に至っては、手取り月給が20万円台前半に留まることも珍しくない。
収入の大きなウェイトを占めるのが「演奏手当(乗割り手当)」だ。定期公演や特別演奏会に1回出演するごとに支給される手当であり、これが年間の総支給額を左右する。加えて、ツアーの移動に伴う旅費日当や、個人の楽器メンテナンス費用の一部をカバーする楽器維持手当など、専門職ならではの手当制度が細かく組み込まれている。