西岸海洋性気候の特徴とは?高緯度ロンドンが冬も温暖な理由を解説

西岸海洋性気候の特徴とは?高緯度ロンドンが冬も温暖な理由を解説

西岸海洋性気候の特徴とは?高緯度ロンドンが冬も温暖な理由を解説の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。

西岸海洋性気候(Cfb)を正しく理解する近道は、同じ温帯に属する「温暖湿潤気候(Cfa)」および「地中海性気候(Cs)」、そして比較対象となる日本の冷温帯地域と数値を並べて対比することです。気象庁および世界気象機関(WMO)の平年値データに基づき、主要都市の数値を比較しました。

項目・気候区代表都市(緯度)気温データ(最暖月/最寒月/年較差)降水の特徴・編集部の分析西岸海洋性気候(Cfb)ロンドン(北緯51.5度)最暖月:約19.0℃
最寒月:約5.5℃
年較差:約13.5℃年間降水量は約600mmと少なめ。梅雨がなく、各月に50mm前後が均等に降る安定型。温暖湿潤気候(Cfa)東京(北緯35.7度)最暖月:約27.4℃
最寒月:約5.4℃
年較差:約22.0℃年間降水量は約1,600mm。夏期モンスーンや台風により、夏から秋に雨が集中する。地中海性気候(Cs)ローマ(北緯41.9度)最暖月:約25.5℃
最寒月:約7.5℃
年較差:約18.0℃夏は亜熱帯高圧帯の下に入り極端に乾燥。冬に偏西風と前線で降水が増える。亜寒帯湿潤気候(Dfb)札幌(北緯43.1度)最暖月:約22.3℃
最寒月:約-3.2℃
年較差:約25.5℃ロンドンより8度以上南だが、冬はシベリア寒気団の影響で氷点下。積雪が多い。

表を見れば明らかなように、温暖湿潤気候(Cfa)との決定的な違いは「夏の暑さ」です。Cfaは最暖月が22℃を超え、熱帯夜が頻発する亜熱帯的な夏を迎えますが、Cfbは22℃を下回りカラッとしています。

また、同じヨーロッパに広がる地中海性気候(Cs)との違いは「降水の季節配分」にあります。イタリアやスペインなどの地中海沿岸は、夏になると真っ青な乾燥した青空が続き草木が枯れるほどですが、ロンドンやパリなどのCfb地域は夏でも定期的に雨が降り、緑が生き生きと保たれます。

では、四方を海に囲まれた島国である「日本に西岸海洋性気候が存在しない理由」は何でしょうか。海に囲まれているとはいえ、日本列島は巨大なユーラシア大陸の「東岸」に位置しています。冬はシベリアからの乾燥した極寒風をまともに受け、夏は太平洋高気圧から湿った熱風が吹き込むという「モンスーン(季節風)」の支配下にあります。西から吹き付ける偏西風の恩恵を受ける前に、大陸発の過酷な寒暖差に飲み込まれてしまうため、日本にはCfbが基本的に成立しないのです。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。