せっかく発掘しても、中に水が浸入して中身が腐敗していた――そんな悲劇を回避するためには、埋設時の科学的ケアが不可欠だ。単に市販のプラスチック容器や缶に入れただけでは、土圧や温度変化による結露で紙類は数年で劣化してしまう。
専門家が推奨する保存ノウハウは徹底している。まず、中身はすべて中性紙の封筒に入れ、乾燥剤(シリカゲル)とともに脱酸素剤を同封すること。容器には耐食性に優れたステンレスや高品質のポリカーボネートを使用し、ボルト締め部分には耐熱・耐寒性の高いシリコンパッキンを装着する。最新の手法では、内部の空気を窒素ガスに置換して密封することで、20年後でも当時の鮮やかな筆致をそのまま保つことが可能となっている。