近年、渋沢栄一の生涯や日本初の銀行創設を巡るエピソードは、新たな脚光を浴びている。特にNHK大河ドラマ「青天を衝け」では、幕末の志士から大蔵省官僚、そして実業家へと転身していく渋沢の苦悩と情熱が鮮明に描かれ、若い世代の間でも歴史的関心が高まった。
さらに、歴史研究や現場の証言を誰でも検証できる時代が到来している。国立公文書館デジタルアーカイブなどを活用すれば、当時の国立銀行条例の原本や、渋沢や井上らが交わした公文書・公務日記をブラウザ上で高精細に閲覧することが可能だ。教科書の中の「記号」として理解されがちだった明治の金融改革が、当時の生々しい公文書を通じて、生身の人間たちが泥臭く格闘した軌跡として立体的に浮かび上がってくる。