賃貸住宅で導入する際に最も懸念されるのが「退去時の原状回復」です。一般的な強粘着タイプのシートを塩化ビニール壁紙に直接貼り付けると、剥がす際に壁紙の表面ごと破れてしまい、退去費用を請求されるリスクが生じます。賃貸環境で安全に使用するためには、ホワイトボードシートの吸着式と粘着式の構造的な違いを把握することが大切です。
「吸着式」は、裏面に無数の微細な吸盤構造(アクリル発泡体)が施されており、糊(のり)を使わずにガラスや平滑面に密着します。糊残りがないため何度でも貼り直せますが、一般的な凹凸のあるクロス壁紙では吸着力が落ちやすいという側面があります。そこで、ホワイトボードシートを賃貸の壁紙で剥がせるように設置するための確実な施工手順を押さえておく必要があります。
施工のプロが実践するホワイトボードシートの貼り方のコツと気泡防止策は以下の通りです。
【ステップ1:壁面の脱脂と下地処理】
壁紙のホコリや油分を乾拭きで取り除きます。粘着式のシートを貼る場合は、壁紙側に幅広(50mm程度)のマスキングテープを隙間なく貼り、その上からホワイトボードシートを施工することで、壁紙の剥が壊を完全に防ぐことができます。
【ステップ2:上部を固定し位置決めを行う】
いきなり裏紙をすべて剥がすのは厳禁です。シート上部の剥離紙を10cmだけ剥がして折り返し、水平器やスマートフォンの水準器アプリで傾きを確認しながら壁面最上部に固定します。
【ステップ3:中央から外側へ空気を押し出す】
専用のスキージー(ヘラ)にタオルを巻き、中心から斜め下・外側へ向かって弧を描くように空気を逃がします。剥離紙を少しずつ下に引き下げながら、数回に分けて圧着していくことで、不快な気泡やシワの発生を完全に防ぐことが可能です。
特にホワイトボードシートの特大・大型サイズ(90×180cm以上)を取り付ける場合は、1人での作業は歪みの原因になります。2人体制で「シートを軽く引っ張りながら位置を保持する人」と「スキージーで空気を抜く人」に分担して作業を行うことが成功の鉄則です。