伝統的な和食・日本料理の最高峰とも言えるのが、傘全体に繊細な花模様を刻み込む「花しいたけ」だ。料亭の会席鍋などで見かけるこの意匠は、見る者の食欲をそそる芸術品とも言える。しかし、一見難しそうに見えるこの技も、適切な包丁・調理器具を選び、基本の手順を踏めば自宅で驚くほどきれいに仕上がる。
ポイントとなるのは、刃渡りが小さく小回りの利くペティナイフや、研ぎ澄まされた薄刃包丁を使うことだ。まな板の上に素材を安定させ、親指で傘をそっと支えながら包丁の先を滑らせる。無理に力を入れず、刃の重みを利用して刃先を動かすことで、傘の肉厚な食感を損なうことなく美しい立体感が生まれる。