私生活での激動は、バンドを取り巻くビジネス環境やマネジメント構造にも劇的な変化をもたらした。Mr.Childrenは長年、トイズファクトリーを主要レーベルとして作品をリリースし、烏龍パーク(OORONG-SHA)のもとで活動を展開してきたが、2010年代以降、自らの制作環境と権利関係の最適化を図るため、個人事務所である「エンジン(ENGINE)」を立ち上げ独立を果たす。
このマネジメント体制の変更は、単なるビジネス上の戦略にとどまらない。かつてスキャンダルによってプライベートを暴かれ、メディアの暴力に晒された経験を持つ桜井にとって、自分たちの音楽とプライベートを守る城を自らの手で強固に築き上げることは、アーティストとして生き残るための必然的な自己防衛策でもあった。音楽業界のパワーバランスが大きく変化する中で、彼らは自立した表現者としての姿勢を確固たるものにしていった。