『けいおん!』を世界的コンテンツへと押し上げた最大の功労者は、制作を担当した京都アニメーションと山田尚子監督に他ならない。TBSテレビ系列で放送されたテレビアニメ版は、圧倒的な作画クオリティと緻密な演出、そして耳に残る劇中歌で視聴者を魅了した。その集大成となったのが、ロンドンへの卒業旅行を描いた『映画 けいおん!』である。
山田尚子監督が映画で描いた高校卒業の叙情的なエモーショナルさは、まさに映像芸術として完成されていた。映画版のラストシーンにおいて、卒業していく先輩たちが後輩へ贈った楽曲「天使にふれたよ!」の感動は、作品としてのストーリーテリングの頂点を示していた。それだけに、アニメ版の映像表現としては、この映画をもって最高のフィナーレを迎えていたとも言える。