国家の最高法規である日本国憲法には、「首相」という語句は一度も登場しない。憲法第66条において「内閣は、首長たる内閣総理大臣及び国務大臣をもつてこれを組織する」と規定されている通り、法制度上の唯一無二の正称はあくまでも「内閣総理大臣」だ。
行政権の長としての権限や責任を明記した文脈では、常にこの正式名称が用いられる。国会での指名選挙や天皇による任命儀式(親任式)においても、呼称は一貫して内閣総理大臣である。国家の根幹をなす法体系においては、一語一句の厳密性が求められるため、略称の介入する余地はない。