「チラージンを毎日飲んでいるのに全く痩せない」「むしろ体重が増えた」と悩む方も少なくありません。この場合、身体の中でホルモンがうまく働いていないか、別の要因が重なっている可能性が考えられます。主な理由は以下の4点です。
第1に、「投与量がまだ適正量に達していない」ケースです。チラージンは心臓への負担を避けるため、少量から開始して血液検査の数値(TSHやFree T4)を見ながら数週間ごとに徐々に増量します。TSH基準値(通常0.5〜4.0μIU/mL前後)が適正範囲に落ち着くまでは、代謝が十分に上がっていません。
第2に、「服薬方法による吸収率の低下」です。チラージンは食事や特定の成分(鉄剤、カルシウム剤、胃薬、コーヒーなど)と同時に摂取すると腸管からの吸収が著しく低下します。起床時すぐや就寝前など、空腹時に水で服用することが推奨されるのはこのためです。
第3に、「病気以外の生活習慣や加齢による代謝低下」です。甲状腺機能が正常化しても、消費カロリーを上回る食事を摂取していれば当然体重は落ちません。橋本病の治療でホルモンが適正化された後は、一般的な健康管理と同様に、バランスの取れた食事と適度な運動習慣を無理のない範囲で取り入れることが確実な対処法となります。