結論から申し上げると、田中邦衛さんに息子はいません。にもかかわらず、なぜ「田中邦衛の息子は俳優」という説がこれほど広く信じられてきたのでしょうか。芸能取材の現場やネット上の言説を精査すると、3つの明確な要因が見えてきます。
最大の理由は、1981年の放送開始から20年以上にわたって国民的人気を誇ったドラマ『北の国から』(フジテレビ系)の存在です。田中邦衛さん演じる主人公・黒板五郎の息子「黒板純」を演じた吉岡秀隆さんとの関係性が、あまりにも自然かつ魂の通い合った父子像であったため、多くの視聴者が「本当の親子なのではないか」と錯覚したまま記憶に刻み込まれました。
2つ目の理由は、芸能界に「田中」という名字の実力派俳優が多い点です。昭和から平成にかけて活躍した大物俳優の子息が次々と芸能界入りする2世ブームの中、「田中姓の若手俳優=田中邦衛の息子」という短絡的な憶測が一部で囁かれ、検索クエリとして定着してしまいました。
3つ目は、田中邦衛さんの若い頃の個性的なビジュアルや演技スタイルを受け継ぐ個性派俳優を探す視聴者の心理です。『若大将シリーズ』の青大将役や『仁義なき戦い』の槙原政吉役で見せた唯一無二の存在感ゆえに、「あの唯一無二のDNAを受け継ぐ後継ぎ息子がいるはずだ」というファンの期待が噂を補強していったと考えられます。