本作の配給形態には、業界内でも異例の体制が敷かれた。これまでライバルとして歴史を競い合ってきた東宝と松竹が、共同で宣伝・配給ネットワークを構築したのだ。邦画の真価を世界へ届けたいという両社の思惑が一致し、海外の主要映画祭への出品も水面下で進められている。
すでに国際映画祭のプレビュー上映を鑑賞した海外バイヤーからは、「小津安二郎の静謐さと現代の緊迫感が奇跡的に同居している」「言葉の壁を越えて胸を締め付ける」といった絶賛のコメントが相次ぐ。単なる国内ヒットの枠を超え、世界水準のマスターピースとしての評価を着実に固めつつある。