移住を成功させるためには、ポジティブな要素だけでなく潜在的なリスクにも目を向けなければなりません。インターネット上で時折取り沙汰される「苫小牧市は治安が荒れているのではないか」という噂について、北海道警察の犯罪統計を紐解くと、凶悪犯罪の発生率は全道平均と大きな乖離はなく、過度な治安悪化の事実はありません。ただし、工業都市特有の深夜帯の大型車交通量や、幹線道路沿いの騒音を治安の不安感として捉える転入者がいるのも事実です。
それ以上に直視すべき現実的なデメリットは以下の3点です。
- 太平洋沿岸の津波リスクと液状化リスク
北海道が公表している日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデルに基づく「苫小牧市ハザードマップ(津波編)」では、沿岸部や港湾低地において想定される最大浸水域が明確に示されています。海抜の低い臨海部ではなく、内陸の丘陵地帯(ウトナイ地区、拓勇地区、澄川地区など)を選択するなど、居住区の地盤・標高確認は必須です。 - 完全な「車社会」への依存
市内には路線バスやJR室蘭本線・千歳線が通っているものの、大型商業施設(イオンモール苫小牧等)や生活動線は車前提で設計されています。1世帯あたり1〜2台の自家用車を維持する固定費を想定しておく必要があります。 - 夏季の「じり(海霧)」と工業地域の臭気
6月から7月にかけて太平洋から冷たく湿った「海霧(じり)」が街を覆い、気温が上がりにくく洗濯物が乾きにくい日があります。また、風向きによっては製紙工場特有のパルプ臭が漂うエリアが存在します。