逮捕直後、警察による家宅捜索で撮影された映像がニュース番組で流れると、日本中が息を呑みました。宮崎勤 部屋 ビデオテープの山は、床から天井まで足の踏み場もないほど積み上げられ、その総数は5,763本に達していました。
当時の報道は、部屋にあった膨大な少女アニメの録画テープや特撮ヒーロー番組、スプラッター映画のコレクションを大々的に報じ、「オタク文化=異常犯罪者の予備軍」という短絡的なパニックを引き起こしました。しかし、警察がすべてのテープを押収して精査した結果、コレクションの大多数は一般のテレビ番組を機械的にエアチェックしたものであり、ホラー映画や児童ポルノ的な作品は全体の一部に過ぎなかったことが後年判明しています。
彼にとってビデオテープの収集・録画行為そのものが、誰にも侵されない自己の世界を構築し、現実の無力感を補償するための「強迫的な防衛行動」であったと分析されています。メディアが描き出した「冷酷なアニメマニア」というステレオタイプと、実際の法廷記録に現れる「自信の欠如に怯え、現実と虚構の境界線が溶解した男」という実像との間には、看過できない乖離が存在していたのです。