私たちが日常で手にする印鑑は、主に「認印」「銀行印」「実印」の3つに大別されます。これらは物理的な印章自体の構造が異なるのではなく、「どこに登録され、どのような法的効力・権限を付与されているか」によって決定的な違いが生じます。
認印は郵便物の受け取りや社内回覧など日常の確認に用いられ、銀行印は金融機関に口座開設の際に届出を行った印鑑です。一方の実印は、自治体(市区町村役所)に登録された唯一無二の公認印鑑を指します。法務省の解釈および裁判例においても、実印の押印と有効な印鑑証明書の添付がある契約書は、民事訴訟法第228条第4項に基づく「二段の推定」が強く働き、「本人の真正な意思に基づいて契約が成立した」と推定されます。後から「勝手に押された」「内容は知らなかった」と主張しても、それを覆す立証責任は押印された本人側に重くのしかかります。