エアコンの冷房や除湿(ドライ)運転を行う際、室内機の内部では冷やされた熱交換器(エバポレーター)に空気中の水分が触れ、結露水が大量に発生します。真夏の湿度が高い日には、わずか1時間で1リットルから2リットル以上の水が生成されることも珍しくありません。この大量の結露水を安全に機外へ誘導するために設計された専用の排水管が、一般にエアコン室外機排水ホースとも呼ばれるドレンホースです。
室内機の内部構造を見ると、熱交換器の直下に「ドレンパン」と呼ばれる細長い受け皿が設置されています。結露水はまずこのドレンパンに滴り落ち、重力勾配を利用して傾斜に沿って流れ、接続されたドレンホースを通って屋外へと流れ出る仕組みです。動力を一切使わず、高低差による自然流下のみで排水を行っている点が、家庭用ルームエアコンの大きな特徴といえます。
そのため、ドレンホースが途中で波打っていたり、先端が持ち上がって逆勾配になっていたりすると、水はスムーズに流れません。ドレンパン内に溜まった水が逃げ場を失えば、エアコン本体の隙間から壁紙やフローリングへと溢れ出ることになります。ドレンホースは単なるプラスチックの蛇腹管ではなく、エアコンの冷却サイクルを水害なしに成立させるための心臓部直結のバイパスなのです。