警察当局が今回、安藤容疑者の立件へ舵を切った決定打は、実態のない運用事業に対する出資金名目で現金を騙し取った詐欺容疑である。捜査関係者の説明や公式発表資料によると、同容疑者は無登録でありながら「独自のAIアルゴリズムによる自動暗号資産分散投資」を標榜。元本割れのリスクが存在しないかのように装い、年利換算で18%から24%という極端な配当を確約して全国の個人投資家から出資金を募っていた。
事件の時系列を辿ると、その巧妙な拡大プロセスが明白になる。2026年頃から都内を中心とした限定的な勉強会で種をまき、2026年半ばから外部のマーケティング業者と結託してSNS広告や動画共有サービスを介した大規模プロモーションを展開。当初は後続の出資者から集めた資金を既存の出資者へ配当と偽って還流させる典型的なポンジ・スキームの手法で「出金実績」をアピールし、信用を醸成させていた。
しかし、2026年秋に新規流入資金が先細りしたことでシステムは瓦解を迎える。「システム改修のための出金一時停止」という定型的な言い訳で出金停止を繰り返し、翌2026年1月には被害者の相談が警視庁生活安全部や消費生活センターへ急増。捜査本部は被害届を受理後、内偵捜査を進めて複数の架空名義口座の資金の流れを捕捉し、2026年2月12日早朝、逃亡および証拠隠滅の恐れがあるとして安藤容疑者の潜伏先マンションへ捜査員が踏み込み、通常逮捕に至った。