石田ゆり子さんの俳優人生において、ターニングポイントとなった名作ドラマを振り返ることで、ビジュアルのみならず演技者としての深化が見えてきます。
1991年に最高視聴率36.7%を記録した名作『101回目のプロポーズ』(フジテレビ系)では、浅野温子さん演じるヒロインの妹・矢吹千恵役のオーディションを自ら勝ち取り、素直で健気なキャラクターを熱演。お茶の間に確かな存在感を刻み込みました。
その後、清純派のイメージを覆したのが1997年のドラマ『不機嫌な果実』(TBS系)です。人妻の道ならぬ恋を生々しく繊細に演じ切り、それまでの優等生的なイメージから大人の本格派女優へと脱皮を遂げました。さらに宮崎駿監督の映画『もののけ姫』(1997年)では、サンとカヤの二役の声優に抜擢され、澄んだ声の表現力でも高い評価を獲得しています。
そして2016年、社会現象となった『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)で演じた「土屋百合(ゆりちゃん)」役は、まさに彼女の真骨頂でした。キャリアを積み重ねながらもどこか不器用で、誰に対しても誠実に向き合うアラフィフ女性の姿は、若い世代から同年代まで熱狂的な支持を集めました。作中で放たれた「私たちの周りにはたくさんの呪いがあるの。自分に呪いをかけないで」という名台詞は、石田ゆり子さん本人の生き様とシンクロし、今なお語り継がれる名シーンとなっています。