「厚手ニットを着るとアウターの腕がきつい」と感じる最大の理由は、一般的なアウターがカットソーや薄手のハイゲージニットを前提としたセットインスリーブ(肩の縫い目が肩先にある標準構造)で作られている点にあります。アパレルパターンの計測データによると、標準的なウールコートのアームホール周囲は約42〜45cmですが、ざっくりとしたローゲージニットを着用すると腕周りの厚みだけで半径約1.5〜2.0cm拡張され、可動域が完全に圧迫されてしまいます。
また、着膨れの要因は単なる「生地の厚さ」だけではありません。編み地の立体感(ケーブル編みや畦編み)とアウターの身頃の隙間が埋まることで、熱がこもりシルエットが外側に押し出される現象が起きます。これを回避するには、肩先が落ちたドロップショルダー構造または脇下にゆとりを持たせたラグランスリーブのアウターを選ぶことが、視覚的にも物理的にも最も有効な解決策となります。