お悔やみの言葉に対する返信では、普段のビジネスシーンや日常会話の感覚で返答すると、思いがけないマナー違反に繋がるケースがあります。ネット上で広がる誤った慣習や、避けるべき代表的なNGパターンを整理しました。
1. 「ありがとうございます」単体で返答してしまう
「ありがとうございます」という言葉自体が完全に間違いというわけではありません。しかし、葬儀の場や訃報に対する対話において、感謝の言葉だけを発すると「不幸があったことに対して礼を言っている」と受け取られかねないという古いしきたりが存在します。感謝の気持ちを伝えたい場合は、「お心遣い、ありがとうございます」や「ご丁寧に恐れ入ります」のように、「相手の気遣い」に対して謝意を示している形に整えるのが正しい作法です。
2. 忌み言葉・重ね言葉を使ってしまう
不幸が繰り返されることを連想させる「重ね言葉」や、不吉な響きを持つ「忌み言葉」は、遺族側の返信であっても避けるのが鉄則です。
- 重ね言葉の例:「重ね重ね」「ますます」「度々(たびたび)」「くれぐれも」
- 続き言葉の例:「引き続き」「追って」「再び」
- 直接的な表現:「急死」「生きていた頃」「死亡」(※「逝去」「生前」と言い換える)
例えば、「重ねて御礼申し上げます」とビジネスメールで書きがちな表現も、慶弔の場では「深く御礼申し上げます」と言い換える配慮が求められます。
3. 詳細な死因やプライベートな内情を長文で語る
特にビジネスチャットやメールで弔意を受け取った際、聞かれてもいないのに「実は昨年末から闘病しており、最期は〇〇病院で……」と長々と経緯を書き連ねるのは好ましくありません。相手は業務時間中にメールを確認しており、個人的な悲嘆の吐露にどう返信すべきか当惑してしまいます。死因や病状については「療養中でありましたが」「天寿を全うし」などと簡潔に留めるのが節度ある対応です。