地域密着のインフラであるからこそ、現場の利用者からは利便性の向上に対する称賛と、地方交通が直面する課題に対するシビアな意見の双方が寄せられています。
SNSや地元利用者のコミュニティを検証すると、最もポジティブな反響を呼んでいるのが「キャッシュレス化による降車時のストレス激減」です。小銭を用意したり両替機に並んだりする手間が解消されたことで、「雨の日や荷物が多い日でも片手でタッチするだけでスムーズに降りられるようになった」という声が多く見られます。また、「でんでんむし」の運行本数の安定感と分かりやすいルート設定は、盛岡を初めて訪れる観光客からも非常に好評です。
一方で、近年のダイヤ改正に伴う減便や最終バスの繰り上げに対しては切実な声も上がっています。特に郊外路線において平日夜間や休日の本数が絞られたことで、「1本逃すと1時間以上待つことになる」「部活動や残業のあとの帰宅が厳しくなった」といった実態が存在します。この背景には全国的な乗務員不足(いわゆる物流・交通の2026年問題以降の労働時間規制)があり、岩手県交通も持続可能な運行維持のために不採算系統の見直しや運行本数のスリム化を余儀なくされています。