エリートコースで華々しく入所したように見える京本大我ですが、そのジュニア時代は「二世タレント」という重いレッテルとの孤独な戦いでした。
入所直後から雑誌の表紙を飾り、マイクを持って前列で歌う機会が与えられたものの、周囲のジュニアや一部のスタッフからは冷ややかな視線を浴びることもありました。当時の特番インタビューや雑誌の手記において、京本は「どれだけ努力して歌やダンスを練習しても、『どうせ親が京本政樹だからだろ』と言われるのが悔しくてたまらなかった」と吐露しています。
公の場で見せる笑顔の裏で、彼は徹底的な自己鍛錬に没頭しました。父の名前を借りずに自分の力で認められたいという執念から、ボイストレーニングに何百時間も費やし、ロックやミュージカルなど多彩な歌唱技術を独学で吸収していきます。
その努力が結実したのが、2015年の名作ミュージカル『エリザベート』のオーストリア皇太子・ルドルフ役のオーディションでした。演出家の小池修一郎氏による厳格なオーディションにおいて、京本は名前を伏せた実力一本勝負で役を勝ち取りました。この快挙によって、業界関係者やファンの間から「親の七光り」という色眼鏡は完全に消え去り、「本物の実力派舞台俳優」としての認知を確立したのです。