乱視を自覚していない人が乱視の症状を抱えている場合、自身の見えている世界が「異常」であると気づくまでに長い時間を要することが少なくありません。乱視による視覚異常には、日常の特定のシチュエーションで顕著に現れる2大兆候が存在します。
第1の兆候が、「コントラストの高い文字や輪郭が二重・三重にズレて見える(ゴースト像)」です。黒い背景に白い文字が並ぶデジタルサイネージや、字幕付きの映画、スマートフォンの電子書籍を読んでいる際、文字の上下や左右に薄い影がブレて重なります。近視の場合は全体が均一にすりガラスのようにぼやけますが、乱視の場合は「特定の方向にだけ像がダブる」という歪み方をします。特に「8」と「3」、「大」と「犬」、「め」と「ぬ」といった細部の判別が瞬時にできなくなるのが典型例です。
第2の兆候が、「夜間の点光源が線状に尾を引いて伸びる(スパイキング・スターバースト現象)」です。夜の街灯、車のブレーキランプ、信号機などの光が、円形ではなく縦・横・斜めの放射状にギラギラと飛び散って見えます。雨天時の夜間運転では、アスファルトに反射した対向車のライトが視界全体を覆い尽くすほどの眩乱(グレア)を引き起こし、白線や歩行者の視認性を著しく低下させます。ネット上の体験談や知恵袋などでも「夜間ドライブが急に怖くなった」「ネオンサインが花火のように広がって見える」という声が頻繁に寄せられますが、これは典型的な乱視の光学的現象です。