芸能人の運転免許を巡っては、インターネット特有の都市伝説や誤解が後を絶ちません。その最たるものが「有名人だから試験場でVIP待遇を受け、実技試験に下駄を履かせてもらえたのではないか」という憶測です。
しかし、指定自動車教習所および各都道府県公安委員会の技能試験において、タレントへの特別扱いは構造上不可能です。技能試験はドライブレコーダーや厳格な採点基準によって厳格に監査されており、万一の不正採点が発覚すれば指定教習所の指定取り消しという致命的な処分が下されます。多忙な中で「一発合格」を勝ち取ったタレントたちは、例外なく教習原簿をボロボロにしながら学科教本を暗記し、実技の反復練習を重ねた努力の結果にほかなりません。
また、2025年春から段階的に普及し、2026年現在で定着を見せる「マイナ保険証」ならびに「マイナ免許証(運転免許証とマイナンバーカードの一体化)」に関しても、新たな誤解が生じています。「免許証がICチップ内に一本化されるなら、もう顔写真写りを気にする必要はないのでは?」という言説です。
現実は異なります。マイナ免許証を選択した場合でも、券面には引き続き高精細な顔写真が表示される(あるいは従来の物理免許証を併用保有する)ケースが主流であり、警察官による提示要求やレンタカー貸出手続き、身分証確認の現場において「無加工の素顔」が視認される機会は依然として残されています。むしろデジタル端末の高解像度化に伴い、証明写真のクオリティに対する意識は一段と研ぎ澄まされているのが現場の実態です。