個室利用を検討する際、真っ先に把握しておかなければならないのが「病院の室料計算ルール」です。一般のホテル宿泊では「1泊2日」の滞在に対して1泊分の宿泊費が請求されますが、医療機関の特別療養環境室料は健康保険法の規定に基づき「暦日(午前0時起算)」で計算されます。
たとえば、1日22,000円の標準個室に金曜日の午後2時に入院し、翌週月曜日の午前10時に退院したとします。ホテルの感覚であれば「3泊分(66,000円)」と考えがちですが、病院会計では「金・土・日・月」の4日分がカウントされるため、合計請求額は88,000円に達します。わずか数時間の滞在となる入退院日であっても、日を跨いだ時点でまるまる1日分の名大病院 差額ベッド代が課される仕組みです。
さらに深刻なのが、「高額療養費制度 個室料金 対象外」という厳格な法制度の壁です。公的医療保険には、1か月の自己負担限度額を超えた医療費が払い戻される高額療養費制度が存在しますが、差額ベッド代や先進医療の技術料、食事療養費はこの対象に一切含まれません。
「高額療養費の限度額適用認定証を提出しているから、いくら個室代がかかっても月数万円で済む」という認識は完全な誤解です。手術費や投薬費などの保険診療分が限度額内に抑えられたとしても、個室料金の数十万円分は全額自己負担としてそのまま請求書に乗ってきます。