2011年10月7日、日本の音楽界と芸能報道に激震が走りました。山下智久と錦戸亮が、NEWSから同時に電撃脱退することが公式発表されたのです。グループのツートップが同時に抜けるという前代未聞の事態に、世間には大きな衝撃が広がりました。
公式発表において、錦戸亮は兼任していた関ジャニ∞とのスケジュール調整の難しさを理由に挙げました。一方、山下智久の脱退理由として説明されたのは「今後はソロ活動に専念したい」という強い意志でした。しかし、この決断の裏には、より深層的な背景が存在していました。
第一の要因は、グループ活動の長期停滞と熱量の乖離です。当時、ドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』や『ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜』などで主演俳優として社会現象を牽引していた山下に対し、グループとしての音楽活動やツアーは年単位で間隔が空いていました。山下は自身のソロコンサートツアーをアジア(台湾、香港、韓国など)で開催する中で、グローバルなエンターテインメントの現場を肌で体感し、「もっとスピード感を持って挑戦したい」という思いを強くしていったと当時の音楽誌インタビューでも語っています。
第二の要因は、「NEWSの看板に甘えている自分」との決別です。山下は後に「グループにいると、自分が何もしなくても守られている安心感があった。でも、その居心地の良さに甘えていたら、1人の表現者として成長が止まってしまう恐怖があった」と述懐しています。あえて安全地帯を飛び出し、すべての責任を自分1人で背負う道を選んだのです。
山下と錦戸の2人は、事前に綿密な共謀をして脱退を決めたわけではありません。しかし、現場で多忙を極めるトップランナー同士として、現状のシステムに対する限界と次なるステップへの渇望を、互いに肌感覚で共有していたことは想像に難くありません。残された小山慶一郎、加藤シゲアキ、増田貴久、手越祐也の4人は活動継続を決意し、NEWSは新たな章へと進むことになりました。