試合の主導権を握ったのは、両チームのエースによる圧巻のピッチングだった。横浜のエースは最速150キロを超える伸びのあるストレートを軸に、沖尚打線の打ち気を外すクレバーな配球を見せる。対する沖尚の主戦も負けてはいない。独特のタメから繰り出されるスライダーとチェンジアップのコンビネーションで、横浜の強力クリーンアップを次々と凡打に打ち取っていった。
投手戦の醍醐味は、1球の重みにある。一歩間違えれば命取りになる緊迫した状況下で、両投手が見せた集中力は鬼気迫るものがあった。キャッチャーの構えたミットへ吸い込まれるボールの音だけが、静まり返った球場に響き渡る。一死満塁のピンチでも顔色一つ変えずに三振を奪う度胸。マウンド上での孤独な戦いが、観客の視線を引きつけて離さなかった。