旧ジャニーズの紅白離脱を語るうえで、決定的なゲームチェンジャーとなったのがSnow Manによるデジタルシフトの成功である。2026年大晦日、紅白への出場が叶わなかった彼らは、公式YouTubeチャンネルを通じて無料生配信ライブ『Snow Man Special Live〜Everyone's Wishes〜』を敢行した。
結果は、同時接続者数が日本歴代最高記録を更新する133万人以上を記録するという驚異的な快挙となった。この数字は、テレビの視聴率換算で言えば数パーセント分に匹敵する極めて濃厚な熱狂的ファンが、同時刻にひとつの配信プラットフォームへ集中したことを意味する。テレビ局が用意したタイムテーブルに縛られることなく、自分たちを心から愛するファンに向けて2時間以上のフルパフォーマンスを届ける歓びを、タレント自身が体感した瞬間であった。
この歴史的成功は、後輩グループや同世代のユニットにも強烈な指針を与えた。王道アイドル路線を突き進むなにわ男子もまた、テレビ露出によるライト層の開拓と、既存のコアファンとの絆の維持という狭間で葛藤を抱えていた。全国ツアーのチケットが入手困難を極めるなか、テレビの大型歌番組に出演することへの費用対効果と、独自コンテンツやファンクラブ限定イベントで直接感謝を伝えることの価値が、現場レベルでシビアに比較されるようになったのである。
さらに、大晦日の恒例行事であったカウントダウンコンサート(カウコン)の開催形態が刷新され、東京ドーム等での単独・合同イベントや元旦に向けた独自のスケジュール編成が定着したことで、「大晦日にNHKホールに拘束される必然性」そのものが劇的に薄れた。タレント側が自分たちの発信プラットフォームを手に入れたことで、紅白歌合戦は「出させてもらう憧れの舞台」から「自分たちの年間スケジュールやファン戦略に合致する場合にのみ選択するひとつのプロジェクト」へとその位置づけを変えたのである。