箱根登山鉄道の宮ノ下駅から強羅方面へと続く国道沿い、宮城野・木賀エリアに佇む「手打ちそば 優心」。観光地特有の一過性な話題性に頼ることなく、平日・休日を問わず途切れない行列を生み出している根底には、職人のストイックな手仕事への徹底したこだわりがあります。
店主が毎朝気温や湿度を見極めながら仕上げる蕎麦は、石臼挽きならではの豊かな穀物香と、角がしっかりと立った見事な喉越しが特徴です。繊細な二八の細打ち蕎麦でありながら、噛みしめるほどに広がる自然な甘みと適度なコシの強さは、職人技の精度の高さを物語っています。
さらに、出汁(かえし)に使用する本枯節や昆布の厳選、素材の良さを極限まで引き出す火入れの技術が、つゆの一滴にまで奥行きを与えています。全16席前後というこぢんまりとした上質な和空間だからこそ保たれる一杯ごとの高い完成度が、舌の肥えた大人の旅行者を惹きつけてやみません。