太陽のマテ茶の生産終了を巡り、一部のインターネット掲示板やSNSでは「体に悪い成分が入っていたのではないか」「発がん性物質が見つかって回収されたのではないか」という根拠のない不穏な噂がまことしやかに語られることがあります。この疑惑の真相を医学的・学術的な公的記録からファクトチェックしました。
結論から申し上げると、マテ茶そのものに有害な発がん性があるという噂は、公的研究機関の発表を文脈無視で切り取った完全な誤解です。
噂の発端となったのは、WHO(世界保健機関)の外部組織であるIARC(国際がん研究機関)が2016年に公表した発がん性リスク評価です。この報告において、「65度以上の非常に熱い飲み物(マテ茶を含む)」がグループ2A(ヒトに対しておそらく発がん性がある)に分類されました。しかし、この評価の決定的な要点は「マテ茶の成分」ではなく、南米特有の伝統的な飲み方である「ボンビージャ(金属製ストロー)を使い、熱湯に近い超高温の状態で直接喉へ吸い込む行為」にありました。
沸騰直後の液体を金属ストローで直接食道へ流し込むと、熱刺激によって食道粘膜の熱傷や慢性炎症が引き起こされ、それが食道がんのリスクを高めるという物理的メカニズムが指摘されたのです。IARCの報告書でも、常温や冷たい温度で飲むマテ茶、あるいは通常のティーカップで飲む温度のマテ茶については「発がん性を分類できない(グループ3)」と明確に区別されています。
日本でペットボトル飲料として販売されていた「太陽のマテ茶」は、冷却または適温で飲用される清涼飲料水であり、食道を物理的に傷つける超高温での摂取環境とはまったく異なります。成分面においても、食品衛生法の規格基準を厳密にクリアした安心・安全な製品であり、健康リスクによる販売中止という説は事実無根のデマです。