外側腋窩隙の解剖学と四辺形間隙症候群|構成筋と通過物の覚え方

外側腋窩隙の解剖学と四辺形間隙症候群|構成筋と通過物の覚え方

外側腋窩隙の解剖学と四辺形間隙症候群|構成筋と通過物の覚え方の最新情報を解説します。専門的な知識が詰まっています。

外側腋窩隙の内部を通過する構造物は、運動・知覚を司る腋窩神経と、血流を供給する後上腕回旋動脈(および同名静脈)の2系統です。この2つの脈管・神経束は、間隙を背側へ抜けた後、上腕骨外科頸を後ろから巻き込むように走行し、三角筋や小円筋へと分布します。

ここで比較対象となるのが、上腕三頭筋長頭の内側に隣接する内側腋窩隙(Triangular space / 三辺形間隙)です。内側腋窩隙は上腕骨に接しておらず、小円筋・大円筋・上腕三頭筋長頭の3要素のみで三角形を形成します。通過物も異なり、内側腋窩隙を通るのは肩甲回旋動脈(肩甲下動脈の枝)であり、主たる神経は通過しません。

さらに下方に目を向けると、大円筋・上腕三頭筋長頭・上腕骨体で構成される下外側間隙(Triangular interval / 下三辺形間隙)が存在し、ここには橈骨神経と上腕深動脈が走行します。各間隙の境界と通過物の対比データを以下の表に整理しました。

間隙の名称形状と構成境界主な通過物臨床上の重要度・留意点外側腋窩隙
(四辺形間隙 / QSS発生部)・上:小円筋(前面:肩甲下筋)
・下:大円筋
・内:上腕三頭筋長頭
・外:上腕骨外科頸腋窩神経
後上腕回旋動脈上腕骨外科頸骨折や肩関節脱臼時の神経損傷部位。四辺形間隙症候群の絞扼部位となる最重要間隙。内側腋窩隙
(内側三辺形間隙)・上:小円筋
・下:大円筋
・外:上腕三頭筋長頭
(※上腕骨は含まない)肩甲回旋動脈
(※主神経の通過なし)肩甲骨背面の側副血行路を形成。国試では「通過神経なし」「動脈のみ通過」が頻出の引っかけポイント。下外側間隙
(下三辺形間隙 / Triangular interval)・上:大円筋
・内:上腕三頭筋長頭
・外:上腕骨体 / 外側頭橈骨神経
上腕深動脈上腕骨骨幹部骨折に伴う下垂手(橈骨神経麻痺)の診断時に走行ルートとして重視される。
前田 葵
著者

前田 葵

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。