相澤冬樹の現在とNhk退職理由|森友スクープの真相と赤木ファイル報道

相澤冬樹の現在とNhk退職理由|森友スクープの真相と赤木ファイル報道

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なぜNHKの看板記者であり、大阪放送局の司法キャップデスクを務めていたエリート記者が、50代半ばで安定した組織を去らねばならなかったのか。その引き金となったのが、2017年から2018年にかけて相澤氏が主導した「森友学園問題」のスクープ連発に対する局内上層部からの露骨な報道規制でした。

2017年2月、大阪府豊中市の国有地が鑑定価格9億5600万円からゴミ撤去費用名目で8億円以上値引きされ、わずか1億3400万円で学校法人森友学園に売却されていた疑惑が浮上。相澤氏は司法取材で培った圧倒的な人脈と捜査当局・近畿財務局関係者への緻密なアプローチにより、核心に迫る内部情報を次々と獲得しました。学園側と財務局側が事前に価格のすり合わせを行っていたことを示す生々しい録音データや、特例的な取引の経緯を示す証拠の数々です。

ところが、取材が進み疑惑の矛先が当時の安倍晋三首相や昭恵夫人、官邸中枢へと近づくにつれ、東京のNHK報道局中枢から異常な横槍が入り始めます。相澤氏の手記や後の証言によると、確度の高い裏付けを取ったスクープ原稿をあげても、当時の報道局幹部から「政治的公平性」や「検察の動きを待て」といった口実で放送の延期や大幅なトーンダウンを命じられる事態が常態化しました。特に関係者の証言テープを用いた決定的なスクープが全国ネットのニュース枠から外され、関西ローカル枠に押し込められたり、放送自体が見送られたりする理不尽な圧力が繰り返されたのです。

そして2018年春、近畿財務局の公文書改ざんという憲政史上類を見ない不正が明らかになる最中、相澤氏に通告されたのは「記者職からの配転(考査部門への異動内示)」でした。現場で取材用マイクを握り、真実を暴く第一線から強制的に引き離す人事措置です。

「記者として取材を続け、森友事件の真相を国民に届ける責務がある。書けない場所に留まることは記者生命の死を意味する」――当時の特番インタビューや手記で語られたこの強い告白が示す通り、相澤氏は自らの信念を曲げて局に留まる道を拒絶。2018年8月31日付で、31年間勤め上げたNHKを退職しました。定年を目前にした安定を捨ててまで選んだ退職は、組織ジャーナリズムの敗北と個人の職業的良心の衝突を浮き彫りにした象徴的な出来事でした。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。