死柄木弔、そしてその肉体を乗っ取ろうとするオール・フォー・ワンとの最終決戦において、デクは世界を救うために前代未聞の決断を下します。それは、「歴代継承者たちの個性因子を、死柄木の精神世界へ弾丸のように強制譲渡(転送)し、彼の心の殻を内側から粉砕する」という捨身の戦術でした。
2代目から順に因子を打ち込み、最後に初代・与一の因子までも託したことで、死柄木の精神を縛っていたAFOの支配を完全に打ち破ることに成功します。しかしその代償として、デクは歴代の個性をすべて失い、蓄積されていたワン・フォー・オールの本体そのものも消滅することとなりました。
残された火種(燃えカス)を使い切ったデクは、戦いの終結とともに再び無個性へと戻ります。
そして物語の最終章、雄英高校を卒業してから8年後の世界において、デクは母校の教壇に立ち、次世代のヒーローの育成に情熱を注ぐ教師となっていました。しかし、彼のヒーローとしての歩みはそこで終わりを告げたわけではありません。
かつての戦友である爆豪勝己らA組の仲間たちが資金を募り、発目明やメリッサ・シールドらの最先端技術を結集して開発した「超高性能アーマードスーツ」がオールマイトからデクへ手渡されます。生身の個性を失ってもなお、不屈のヒーロー精神を持ち続けるデクは、再びスーツを身に纏い、仲間たちと共に現役のプロヒーローとして第一線へと舞い戻ったのです。