「刄田綴色(はた としき)」という極めて文学的でアヴァンギャルドなアーティストネームを持つ彼ですが、本名は畑 利樹(はた としき)。島根県邑智郡川本町の出身です。彼の型破りなドラミングを語る上で欠かせないのが、幼少期から慣れ親しんだ郷土芸能「石見神楽(いわみかぐら)」の存在です。
小学生の頃から神楽太鼓のリズムを叩き込み、全身のバネを使って拍を打ち抜く身体感覚を自然に体得しました。欧米由来の一般的なドラムメソッドとは根本から異なる、うねるような拍子感や跳ねるリズムは、この和太鼓の経験が強固な下地となっています。
上京後は「スコップズ」などのバンド活動や様々なセッションを経て、頭角を現していきます。当時から卓越したタイム感と奇想天外なフレーズ構築力はアンダーグラウンド界隈で評判を呼んでおり、それがやがて稀代の音楽家・椎名林檎の耳へと届く決定的な契機となりました。