実際に利用する立場から最も気になるのが、預金金利や調達金利、そして審査の厳しさです。銀行と信用金庫の金利比較を行うと、それぞれのビジネスモデルの違いが金利水準や審査基準に直接反映されていることが浮き彫りになります。
預金金利に関しては、金利復活後の環境下でも信用金庫が地元客の囲い込みを目的に、定期預金などで年0.2%〜0.5%程度の上乗せキャンペーン金利を提示するケースが散見されます。しかし、貸出側の金利や手数料では銀行に明確な競争力があります。
住宅ローン金利手数料比較の観点では、スケールメリットを活かせるメガバンクやネット銀行が圧倒的に有利です。変動金利で年0.3%〜0.4%台を提示するネット銀行に対し、信用金庫の住宅ローンは変動でも年0.7%〜1.2%前後に留まることが多く、事務手数料や保証料の設定も含めると、表面上のコスト比較では銀行に軍配が上がります。
ところが、事業資金の融資となると力関係は一変します。信用金庫融資審査難易度は、決算書の数字だけで冷徹に足切りを行うメガバンクや大手地銀に比べ、はるかに柔軟です。銀行の審査が過去の財務諸表を中心とした「スコアリング方式」に依存しがちなのに対し、信用金庫は経営者の資質、事業計画の将来性、従業員の雇用状況、さらには経営者の人柄といった「定性情報」を重く評価します。
「赤字決算が1期出たから即座に融資謝絶」という機械的な判断を下しにくいのが信用金庫の真骨頂です。保証協会の保証付き融資はもちろん、プロパー融資(信用金庫自体のリスク負担による融資)においても、地元の担当者が事業所まで足を運び、機械の稼働状況や仕入れ先との関係性を直接確かめるリレーションシップ・バンキングが徹底されています。