「フィルター掃除くらいでそこまで電気代が変わるのか」と疑問を抱く方も少なくありません。しかし、経済産業省資源エネルギー庁の試算や大手空調メーカーの実験データは、目詰まりの放置がいかに家計へ強烈な打撃を与えるかを冷徹に物語っています。
資源エネルギー庁の省エネ性能データによると、エアコンフィルター掃除の頻度目安である「2週間に1回」の清掃を怠り、シーズンを通してホコリで目詰まりした状態のまま運転した場合、冷房時で約4%、暖房時では約6%の消費電力増加を招きます。電気料金単価が1kWhあたり35円〜40円前後で推移する現代の電気料金環境下において、このロスはエアコン1台あたり年間約1,500円〜3,200円の無駄な支出に直結します。リビングと寝室、子供部屋など複数台を稼働させている世帯であれば、年間で1万円近くドブに捨てている計算です。
経済的損失以上に深刻なのが、エアコンフィルター掃除を放置した結果として生じる機器本体への物理的ダメージと呼吸器系への悪影響です。吸気口が塞がれると、コンプレッサーは設定温度に到達させようと常に高負荷運転を続けるため、基板故障やコンプレッサー焼き付きといった致命的な寿命短縮を招きます。さらに、フィルターを突破したホコリが奥の熱交換器(アルミフィン)にへばりつくと、結露水と合体して黒カビの巨大なコロニーを形成。吹き出し口から胞子が部屋中に撒き散らされ、咳やアレルギー症状を引き起こす原因となります。