伊藤万理華の歩みを語る上で、乃木坂46での活動期に見せていた異才ぶりは見逃せない。初期から個人PVやアートワークで突出したクリエイティビティを発揮し、グループの枠を超えてカルチャー層からの注目を集めていた。グループ卒業後も乃木坂46合同会社に所属しながら、その作家性はより純度を増している。
その象徴が、彼女自身のクリエイティビティを結集させた展覧会『日常断片』などのアートプロジェクトだ。ファッション、写真、ダンス、言葉といった多彩な手段を用いて、自らの日常に転がる断片をアートへと昇華させる。俳優業と個人の創作活動が互いに刺激を与え合い、彼女にしか作れない表現の回路を太くしている。