インターネット上の掲示板やSNSでは、時に「鈴木末七は冷徹無比な警察官僚だったのではないか」「功績を独占したのではないか」といった根拠のない噂や誤解が散見されます。しかし、一次資料や当時の同僚たちの手記を精査すると、そうした噂の真相は事実無根であることが分かります。
実際の鈴木末七は、部下の生活環境や精神的負担に常に気を配る、極めて人情味あふれる人物でした。24時間体制で張り込みを続ける若い捜査員のもとへ自ら夜食を差し入れ、現場の労をねぎらったエピソードは語り草となっています。また、手柄を自らのものとせず、常に現場で泥をかぶった捜査員たちに光を当てる姿勢を貫いていました。
家族関係においても、多忙を極める刑事生活の中で家庭を深く慈しみ、妻や子どもたちに対して感謝の念を絶やさなかったと伝えられています。家庭内での精神的な安定と支えがあったからこそ、激務とプレッシャーの極致にある捜査第一課長の重責を全うできたのだといえます。