物語の絶対的なシンボルである「椚ヶ丘中学校3年E組の旧校舎」。本校舎から遠く離れた山裏にポツンと佇む木造平屋建ての校舎は、読者や視聴者の胸に深く刻まれています。この旧校舎の周辺環境や立地のベースとされているのが、東京都稲城市周辺の多摩丘陵エリアです。
原作者の松井優征先生のゆかりの地でもある稲城市近郊には、起伏に富んだ緑豊かな丘陵や雑木林、小高い尾根道が多く存在し、E組の生徒たちが毎日登下校で息を切らして登っていた裏山の地形モデルを感じ取ることができます。京王相模原線の若葉台駅や稲城駅周辺の緑地保全地域には、作中で描かれた通学路や木々の生い茂る山道の雰囲気が色濃く残されています。
一方、木造校舎自体の外観や教室内のノスタルジックな構造については、日本国内に現存する複数の伝統的な旧木造校舎や分校建築の要素が組み合わされていると考えられています。特定の1つの建物を完全トレースしたわけではなく、古き良き日本の木造平屋校舎の意匠を抽出し、稲城の里山風景と掛け合わせて生み出された舞台設計です。