2019年秋、関ジャニ∞(現・SUPER EIGHT)からの脱退と事務所退所が発表された瞬間、列島に走った衝撃は今なお記憶に新しい。グループが15周年という大きな節目を迎え、東京ドームでのラストステージを終えた直後の決断だった。表向きには「それぞれの目指す方向性」と語られたが、その深層にあったのは、三十代半ばを迎えて自らの表現に対して嘘をつけなくなったストイックなクリエイティビティだった。
メインストリームのJ-POPカルチャーのど真ん中で浴びる歓声は眩しい。だが、分刻みのスケジュールと強固に管理されたシステムのなかで、楽曲制作や演技プランにどこまで自分の魂を込められるのか。錦戸亮が求めたのは、失敗の責任をすべて自分で背負う覚悟と、純度の高いものづくりができる自由だった。安全な港を離れる航海はリスクそのものに見えたが、彼にとって立ち止まることこそが最大のリスクだったのだ。