現在でこそ解説者としての認知度が高い市川だが、そのバックボーンには凄絶な現役時代の経験がある。2010年代前半、日本カーリング界の勢力図を塗り替えた中部電力。その中心にいたのが市川美余だった。
当時の日本女子カーリング界は、チーム青森が築いた黄金時代の直後。大きな期待と圧力がかかる中、市川は中部電力のスキップ、そしてサードとしてチームを牽引し、日本選手権4連覇という金字塔を打ち立てた。惜しくも五輪出場の夢は届かなかったが、彼女たちが開拓したフィジカル強化と戦術重視のスタイルは、その後のロコ・ソラーレや北海道コンサドーレ札幌といった後輩たちへ確実に受け継がれていく。負けの味を知り尽くしているからこそ、解説者となった今の彼女の言葉には揺るぎない重みが宿る。