本来、2型糖尿病治療薬や肥満症治療薬として開発された医薬品が、なぜこれほど容易に手に入るのか。背景にあるのは、美容クリニック・自由診療市場の乱立だ。オンライン診療の手軽さを謳い、対面での十分な診察や血液検査すら省いて安易に処方するビジネスモデルが横行している。
こうした事態を受け、厚生労働省や日本糖尿病学会は度重なる注意喚起を行ってきた。適応外使用の乱用によって、真に処方を必要とする糖尿病患者への供給が滞る事態も発生した。医薬品の適正使用という倫理的観点が、商業的利益の前に霞んでしまう現実。医療の本質が問われている。