花沢健吾による原作漫画(小学館『ビッグコミックスピリッツ』連載)において、藪というキャラクターはどこか人間臭い弱さと諦念を抱えた複雑な人物として描かれていた。しかし映画版において、このキャラクターには大胆かつ的確なアレンジが加えられている。
スクリーンの藪は、狂気に満ちた極限状態にあっても看護師としての使命感と人倫を捨てない「強き守護者」だ。特に有村架純が演じる半感染状態の比呂美を守ろうとする覚悟は、原作の魅力を再構築しつつ、映画という2時間の物語に圧倒的なカタルシスをもたらした。原作読者からも「この改変こそが映画を成功に導いた」と絶賛される理由がここにある。