2020年代以降、二人の関係性に新たな輝きをもたらしているのが、中野英雄の次男である俳優・仲野太賀の存在です。いまや日本映画界・テレビドラマ界に欠かせない実力派トップランナーとなり、2026年のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』で主人公・豊臣秀長役を務めるなど、その勢いはとどまるところを知りません。
仲野太賀がデビュー当初、あえて親の七光りを拒み「太賀」という芸名で泥臭くオーディションを勝ち抜いてきた背景には、父・中野英雄が哀川翔から叩き込まれた「役者は実力と現場への礼儀がすべて」という美学が色濃く影響しています。中野は息子に対し、過保護に接することなく、一人の役者として自立するよう厳しく背中を押しました。
そして哀川翔にとっても、太賀は幼少期から知る特別な存在です。中野英雄の息子としてではなく、一人の優れた若手俳優として太賀の演技を絶賛し、折に触れて温かいエールを送っています。かつて原宿のホコ天の喧嘩から始まった男たちの契りは、次世代の才能へと確実に受け継がれ、実を結びました。現在の中野英雄と哀川翔は、老境を迎えつつも互いの存在を誇らしく思い、穏やかな笑顔で美酒を交わし合える至高の境地に達しています。