「休日に10時間以上眠ったはずなのに、翌日の午前中から意識が遠のくような眠気に襲われる」「大事な商談中や運転中にもかかわらず、抗えない睡魔で目蓋が落ちてしまう」――こうした昼間の強い眠気 理由の背後には、中枢性過眠症をはじめとする睡眠疾患の存在が疑われます。
過眠症(Hypersomnia)とは、夜間に十分な睡眠をとっているにもかかわらず、日中に覚醒を維持できなくなる睡眠障害の総称です。厚生労働省の各種調査や日本睡眠学会の臨床報告によると、成人の約数パーセントが慢性的な過度の日中過剰眠気(EDS: Excessive Daytime Sleepiness)に悩まされていると推計されています。しかし、外見からは「ただ居眠りをしているだけ」に見えるため、周囲の無理解や自己嫌悪に長年苦しめられる患者が後を絶ちません。
初期症状として見られる主なサインには以下の特徴があります。自身や家族の状態を把握するために、臨床現場で標準的に用いられるエプワース眠気尺度(ESS)をベースにした過眠症 症状 セルフチェックの視点を持つことが重要です。
- 状況を問わない居眠り:会話中、食事中、歩行中など、通常では眠らない場面で意識が落ちる。
- 睡眠発作と短時間の回復感:耐え難い睡魔に襲われて10〜20分ほど仮眠をとると、一時的に頭がすっきりする(ナルコレプシー特有の傾向)。
- 睡眠酩酊(スリープ・ドランクネス):朝の起床時や昼寝から目覚めた際、重度の混乱やふらつきが続き、完全に覚醒するまでに数十分〜数時間を要する(特発性過眠症に多い)。
- 日中の自動症:無意識のうちに意味不明なメモを取っていたり、気がつくと見知らぬ場所に移動していたりする。
セルフチェック指標であるESSにおいて、8つの日常シーンにおける眠気の合計点が24点中11点以上となる場合、病的過眠の疑いが極めて濃厚です。放置すれば重大な事故やキャリアの破綻を招くリスクがあるため、早期の客観的評価が欠かせません。