ネット上の掲示板やSNSで「M-65は着こなしが難しい」「ダサい」と評される背景には、明確なスタイリングの力学が働いています。原因を分解すると、多くの場合「ミリタリーの生活感・作業着化」に集約されます。
典型的な失敗例が、経年変化したカーキのM-65に、色落ちしたブルーデニム、クタクタのスニーカーやワークブーツを合わせてしまうケースです。映画『タクシードライバー』のロバート・デ・ニーロのようなキャラクター性があれば成立するものの、日本の現代の街並みでは「服に無頓着な防寒着姿」あるいは「休日の日曜大工」に見えてしまいます。軍モノ特有のディテール(エポレット、スタンドカラー、フラップポケット)は視覚的な情報量が極めて多いため、合わせるアイテムまで無骨に固めると清潔感が完全に失われるのです。
この野暮ったさを打破する決定打となるのが、M65カーキ黒色合わせメンズの基本原則です。カーキが放つ土臭さを中和するには、ブラックが持つシャープな引き締め効果が最も有効に機能します。ボトムスに黒のスラックスやセンタープレス入りのトラウザーを配置し、足元には磨かれたレザーシューズを合わせる。これだけで、ミリタリーの無骨さは「上質な男らしさのアクセント」へと昇華されます。